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団地で暮らすミニマリストの「失敗しない断捨離」ルール。手放す基準・買う基準を紹介します

シンプリストの暮らし方 Vol.105

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団地で暮らすミニマリストの「失敗しない断捨離」ルール。手放す基準・買う基準を紹介します

少ないもので暮らすシンプリスト・ミニマリストが、部屋をすっきりと整えるコツと工夫を紹介します。今回は、築47年の団地に暮らすミニマリストの「失敗しない断捨離のルール」をまとめました。

text & photo : Miha Tamura

「憧れ」を手放す

仕事がフルリモートワークになったことをきっかけに、「引越しにかかる費用の少ない団地を選んで、あちこちの街に住んでみるのはどうだろう」と思い立ち、今までに神戸、福岡、そして千葉の団地で暮らしてきました。

私がものの少ない暮らし方を選ぶようになったのは、そういう「必要に迫られて」のことだったのですが、家事や片付けにかかる時間が大幅に減り、部屋がほとんど散らからなくなったという大きなメリットもあり、ものを手放したことに後悔はありません。

ただし、「使わないものを手放す」「必要なものだけを残す」というシンプルなやり方ではなく、私なりの「断捨離のルール」があります。

まずはじめに手放すことを決めたのは、「憧れ」です。

私はもともと負けず嫌いな性格で、「あの人みたいになりたい」という「憧れ」の気持ちがいつも原動力になっていました。その結果、達成できたこともたくさんありますが、「自分が本当にやりたいこと」や「好きなこと」が自分自身わからなくなってしまうこともよくありました。

たとえば、ものを手放す前の私の部屋には、たくさんのダイエットのための運動器具、手芸や工作のための材料や道具、お菓子作りや凝った料理をつくるための調理道具、習いかけの楽器……など、使わないわけではなく、「必要」と感じていたものがたくさんありました。ただ、それらの道具を使って何かができるようになることが、本当に私のやりたいことだったのかというと、そうではなかったように思います。

そのとき、私の一番やりたいことは、「あちこちの街に住んで、まだ行ったことのないいろんな場所に行ってみたい」という気持ちでした。その「一番やりたいこと」を大切にするためにものを手放してみたら、あっちこっちに分散していた自分の気持ちもすっきりと整理されたように感じました。

だから、私にとって一番大事な断捨離のルールは「憧れ」を手放すこと。本当に自分にとって大事なものなのか、それともなんとなく羨ましかったり、見栄をはりたいだけなのか。ものを手放す、手放さないの判断基準をそこに置いています。

インテリアでも、「ヴィンテージの素敵な家具がほしい」「植物に囲まれた暮らしがしたい」「アートを飾りたい」など、憧れがごちゃまぜになった雑多な部屋だったのが、シンプルで機能的なものだけを選ぶようになりました。

「思い出」を日常に持ちこまない

あちこち旅をするのが好きな私は、「憧れ」ではなく「思い出」のあるものが部屋じゅうにあって、なかなか捨てられないということもよくありました。

ヨーロッパの雑貨店で大量に買い込んできたキャンドルや、香港で買ったクッションカバー、沖縄で買った器、ご当地のキャラクターが描かれたいろいろなエコバッグやポーチなど……。

そういうものに囲まれた暮らしは楽しいと思いきや、「意外とこれ、使いにくいな……」と思った時や、インテリアの雰囲気をちょっと変えたい時など、「思い出」が乗っかっている分捨てづらくて、ものがどんどん増えてしまいます。「思い出」だけをとっておきたいのに、日用品なので機能性やデザインが気になってしまい、ストレスになるのは本末転倒です。

今、手元に残している「思い出」は、「日常では使わないものだけ」です。「ストレージサービスに預けてでも、とっておきたいか?」を基準に考えた結果、それだけが残りました。

たとえば、建築物のオブジェや乗り物のおもちゃ、ご当地の動物やキャラクターのぬいぐるみ。世界のあちこちの街の様子を切り取った写真集など。ミニマリストが真っ先に手放しそうな「不要なもの」だらけですが、私にとっては宝物。箱にしまって大事にとっておいて、たまに開けて眺めるだけで幸せな気持ちになっています。

この押入れには、とっておきの写真集や、旅先で買ってきたいろんな「いらないもの」ばかりが収まっています。

「便利」ではなく「不便」を基準にする

「必要ない」ものをあれこれ手放したあとに、「これは必要」と思ってまた違うものをあれこれ買ってしまい、結局ものが減らず、お金も余計にかかるということはよくあります。

そうならないように、「捨てる基準」だけでなく、「ものを買う基準」を合わせて作っておくのが大事です。

世の中には「便利アイテム」は星の数ほどあって、SNSを見ると「これ、あったら便利そうだなぁ」という新製品が次々流れてきます。ただ、「あったら便利」なもののほとんどは、「なくても特に困らない」ものです。

私は、持っていた家具や調理道具などを一度すべて人に譲るなどして手放し、「必要になってから買う」ということをしていました。そうすると、「あると便利」なアイテムのほとんどが必要なく、むしろないほうが収納場所を考えたり片付けたりする手間も減って楽だということに気づきました。

ものが少ない暮らしが基本になってからも、「このアイテム、便利そうだなぁ」とほしい気持ちが湧いてきたときには、「今それがなくて困っているか?」を一度考えるようにしています。

「いろいろな便利アイテム」を使いやすく収納しておく必要がないため、今の部屋には「収納家具」と呼べるものがほとんどありません。

「数のルール」を決める

無駄なものを捨てる前にやるべきことは、「そもそも無駄なものを買わない、もらわない」ことです。そのために必要なのは、「数のルールを決める」こと。

「安かったから」「タダだったから」といっていろんなものを持ち、あちこちに溜め込んでいると、なぜかあっという間にものが増え、それを収納するためにさらにものが増えていきます。

例えば、ボールペンやはさみなどの文房具は、「必要」ではあるものの、「ひとつあれば十分」。洗剤や調味料、サランラップなど、切らすと困るものは、今使っているものにプラスひとつあればOK。洋服は、自分の洗濯頻度に合わせた枚数を持っておく。

そんなふうに、ひとつひとつの持ち物に応じた「適切な数」を決めておいて、それを超えないようにすること。まとめ買いのセールや、タダでもらえる試供品に惑わされずに、必要なものを必要な数だけ持つことを心がけています。

キッチンのルールの記事はこちら:築47年の団地に暮らすミニマリストのキッチン。必要なものと、必要なかったもの
クローゼットのルールの記事はこちら:服は年間27着。団地に暮らすミニマリスト、増やしすぎないクローゼットのルール

 

 

 

 

 

田村美葉

田村美葉

団地で暮らす旅好きミニマリスト。千葉の団地に住んでいます。goodroom journal でこれまでに取材をさせてもらったお部屋は、200部屋以上。いつもたくさんのアイデアを教えてもらってます。詳しいプロフィールはこちら

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