服の断捨離のコツ。「持ちすぎない生活」を実践する5人に聞いてみました
つい増えすぎてしまいがちな服。しかし「服を減らしたいけど、なかなかできない…」と思っている方も多いでしょう。そこでホテル暮らしや賃貸暮らしで「持ちすぎない生活」を実践している方々に、服を少なく保つコツについて聞いてみました。…
服の数を減らしたくても、どの服を手放すべきか決めるのはなかなか難しいもの。そこで、ホテル暮らしサブスクリプションサービスを利用し「持ちすぎない生活」を実践している2名に、服選びの基準について聞いてみました。
text:RYO ODA
今回インタビューするのはホテルとシェアレジデンスのサブスクリプションサービス「サブスくらし」で生活するおふたりです。
イワタさん: 「サブスくらし」を利用し、ホテルやシェアレジデンスで生活。もともとクローゼットから溢れそうなほど大量の服を持っていたが、現在はトータル30着程度。(イワタさんの体験記事はこちら)
石橋さん: 社会人になったタイミングで「サブスくらし」の利用をスタート。段ボール20個分ほどの荷物を持っていたが、今はスーツケース2つに収まる量の服を所有。(石橋さんのインタビュー記事はこちら)
「サブスくらし」は、2週間から住めるホテルやシェアレジデンスのサブスクリプションサービスです。敷金・礼金・退去費用なしで、全国700箇所以上のホテルやシェアレジデンスで生活できます。
イワタさんも石橋さんも、サブスくらしでの生活をスタートさせるタイミングで荷物を大きく減らしたそうです。そのときに、どのような基準で服を手放したのか、お伺いしてみました。
【イワタさん】
ホテル暮らしのために服を整理したときは、主に次の2つを基準にしました。
・着回しできるか
・質が良いか
服を減らす上で、着回ししやすい服は重宝しますね。また繰り返し着用するので、上質な服を手元に残すようにしていました。
でも最近は上記の2つだけでなく「自分に似合うかどうか」を最も考えるようになりました。以前パーソナルカラー診断を受けたときに「自分の好きなもの」と「自分に似合うもの」は違うと気づいたのがきっかけですね。
「好きなもの」を身につけるのも、もちろん素敵です。しかし個人的には「似合っているもの」を身に着けていると、アイテムも私自身もより素敵に見える気がします。
【石橋さん】
最も大切にしたのは「着た回数」ですね。まずは1年間を振り返り、着た回数が特に少ない服から手放していきました。
あとはシーズンごとに振り返り、着る回数が少なかった服は売ったり譲ったりしました。この習慣は今でも続けていて、季節ごとに服をチェックしています。
着た回数以外にも、手放す基準はいくつかあります。
・自分に似合っている服のみ残す
・毛玉ができたら捨てる
・綺麗な状態でも、同じようなアイテムを買ったら売るもしくは譲る
・新たに服を買ったら、その分持っている服を手放す
特に「新しく買ったら、同じだけ手放す」ようにしてからは、買う服をよりシビアに選ぶようになりましたね。
服を減らすだけでなく、減らした服の量を維持するのが大切です。とはいえ、つい手放すのを渋ったり、新しく買いすぎたりして、気づいたら服の量がどんどん増えてしまいがち。
そうならないためには、何を意識すればよいのでしょうか?服を買う際に気をつけていることについて、さらに踏み込んで聞いてみました。
【イワタさん】
一目惚れしたときほど、一旦立ち止まるようにしています。
私が好きだと感じる服は特定のタイプに偏りやすく、似たような服にどうしても惹かれてしまいがちです。そのため「この服いいかも!」と直感的に思ったときこそ、本当に買うべきかじっくり吟味するようにしていますね。
手持ちの服を思い出し、似ている服がないかを改めて考えてみると、すでに同じような服を持っていたというケースも少なくありません。
あとは、どんな服が自分に似合うかについてきちんと知るのも大切だと思います。パーソナルカラー診断で自分にマッチする系統を客観的に知ったおかげで、服選びにおいても明確な基準を持てるようになりました。直感だけではなくロジカルに服を選べるので、節約にもなります。
最近はファッションがワンパターンにならないよう、抜け感や個性の出し方を勉強しているところです。
【石橋さん】
自分の感覚だけでなく、他の人の意見も聞くように意識しています。私の場合、アパレルブランドで働いている友人や、ファッションが好きな友人と話すケースが多いです。
自分の意見に加えて他人の声も参考にすることで、自分にとってベストな服をより厳選できていると思います。そのため、買う服はもちろん、手放す服を選ぶ際にも自分なりの明確な理由があることが多いです。
もちろん自分に似合う服がどのようなものか、私自身もある程度把握しています。しかしそれも、まわりの人から「似合うよ」と言われて気づいた部分が大きいなと思いますね。
手放す服を選ぶ際、ついつい「これを手放したら後悔してしまうのでは……?」と不安になる人も多いはず。イワタさんや石橋さんは、そのような後悔を味わったことはあるのでしょうか?
【イワタさん】
ありますね……。ZARAで買ったトップスなのですが、価格も手頃だったので「まあいいか!」とあまり深く考えず手放してしまったんです。
でも今思えば、私のパーソナルカラーに合った服でしたし、仕事着にもプライベートにも着れそうなデザインだったんです。シワになりにくいので、お手入れも楽でした。
そこからは、生地の質「だけ」にこだわるのはやめました。天然素材の高級な服も素敵なのですが、メンテナンスにも手がかかってしまいます。一方、ZARAやユニクロといったブランドでも、シンプルなのに飽きがこないデザインのおかげで着回ししやすい服が多いです。
後悔はしているものの、服の選び方を学ぶ良い機会になったと思います。もし、かつてのように多くの服を持ち続けていたら、そのトップスの価値には気づけなかったかもしれません。
【石橋さん】
手放して後悔している服は、今のところないですね。かなり厳選したうえで手放しているので、自分の中でも納得できているケースが多いんです。
また、後になって「やっぱり残しておけばよかった」と感じる服は、そのときに買い戻せばいいと思っています。それはそれで、自分にとってより良いファッションが明確になった証拠でもありますから。
最後に、服の量を減らしてみて、どのような変化が生まれたのかについて聞いてみました。
【イワタさん】
服を減らしてから、服がより好きになった気がします。
厳選した服を着ている方が、その服のことを大事にしようと思えるんです。シビアに選んだ分、愛着も強いのかもしれません。それに、自分に似合う服を着ていると、その服が持つ良さが一段と際立って感じられる気がします。
また、どんな服やアイテムを組み合わせ、どうやって自分らしさを出すか、少しずつ勉強できるのが楽しいです。
たくさんの服を持っていたときとは、明らかに楽しみ方が違います。以前は「おしゃれにはたくさんの服が必要だ」と思い込んでいました。ですがむしろ、服を減らした今の方が、ファッションを深く追求できていると感じます。
【石橋さん】
服の数を減らしたおかげで、無駄な買い物が大きく減ったと思います。
持っている服が少ない分、自分が持っている服をすべて把握できるようになりました。そのため、出先で素敵な服にばったり出会っても、迷う時間がかなり減ったんです。「似たような服って持っていたかな……?」と考えずに済みます。
また服を買う際、手持ちの服と合わせやすいものを選べるようになりました。「せっかく新しい服を買ったのに、手持ちの服と合わず着られない」という、もったいない悩みも解消されましたね。新しい服も以前からの服も、どちらも大切にできていると感じます。
***
おふたりに共通しているのは、客観的な視点で服を選ぶこと。自分の感情や直感に従うだけでなく、ロジカルな基準や他の人からの意見も織り交ぜ、服を厳選しています。
服を増やさないためには、買いたくても我慢しなければならない。でもそれだと、せっかくのおしゃれも楽しめないのではないか、と私は考えていました。
しかし実は、服を増やさないからこそ、もっとファッションを楽しめるようになるのかもしれません。おふたりが教えてくれた基準を真似しながら、自分なりの服の選び方を探してみようと思います。
「goodroom サブスくらし」は、月額69,800円から、家具・家電つきのシェアレジデンス、そしてホテルに自由に住み替えが可能なサービスです。
家具や家電、WiFiなど、必要なものが揃っているので、引越しで用意するのは、スーツケースひとつだけ。敷金・礼金などの初期費用もありません。
goodroom が運営するシェアレジデンスにプラスして、全国47都道府県800施設以上のホテルが利用可能。
毎月自由に住む部屋を変えられて、リーズナブルに好きな街に住む。そんな賃貸より身軽な暮らし方を実践してみませんか?
織田諒
織田諒
編集アシスタント。写真も動画も撮るのが好き。愛機はFujifilm。革のものと古いものが好き。論文を漁り回るのが趣味。