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25mプールをリノベして社員食堂に!? goodroom 新オフィスに誕生した「空のふた」、誕生秘話と今後の展開を聞きました

goodstory Vol.8

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25mプールをリノベして社員食堂に!? goodroom 新オフィスに誕生した「空のふた」、誕生秘話と今後の展開を聞きました

2026年7月、goodroom は本社オフィスを青山に移転しました。役目を終えた大型フィットネスクラブを丸ごとリノベーション、25mプールだった空間はなんと、社員食堂に!? 「空のふた」と名付けられたこの空間の誕生秘話と、今後の活用方法を聞きました。

元25mプールをリノベーションして社員食堂やイベント会場に活用できる空間へ。特殊な依頼を叶えた思考過程とは?

goodroom の青山・新オフィス、目玉となる空間は、社員食堂やイベント会場として活用される広大なガラス張りのスペース。実はここ、元フィットネス施設の25mプールだった場所です。

元プールの中には食堂利用時にはテーブルとしても使える、水色の大きなステージ。「空のふた」と名付けられました。

タイルの質感や特徴的な高低差といった元プールの構造はそのまま残されており、かつて水が張られていた中央部分に大きなステージが設けられています。

はしごや水深表示など、プールらしい面影も残されています

ガラス屋根を持つ大空間全体を空調するには膨大なエネルギーが必要となるため、このステージの下に空調設備を隠し、人が過ごす足元へ効率よく快適な空気を届ける工夫が施されています。

ステージが、空調設備をすっきりと覆い隠す「ふた」としての役割を果たしているため「空のふた」と名付けられました。

ステージ上のふたは、社員食堂として使うときには腰掛けて食事や作業ができる大きなテーブルにもなります。

元プールの名残と明るい自然光が調和した独特な空間は、社員が心地よく過ごす日常の憩いの場としてだけでなく、今後は社内外の人々が集うイベント会場としても活用できるようになっています。

この空間のリノベーションを手掛けたのは、建築家の増田さん・大坪さん。多数の受賞歴を持ち、国内外から注目を集める建築家です。

左から増田 信吾(ますだ しんご)さん、大坪 克亘(おおつぼ かつひさ)さん。主な過去のプロジェクトは「躯体の窓」(2014年)、「始めの屋根」(2016年)、「窓の庭」(2023年)など。Photo: Anna Nagai

―― 今回の空間が出来上がるまでに、どのようなアイデアが出たのでしょうか。

増田さん:結構たくさんの案を2人で考えました。プールの中に地形を作ってそこに空調を収める案や、橋をかけて通り抜ける場所にするアイデアなど、さまざまですね。

増田さんと大坪さんおふたりで考えたアイデアの案を模型にしたもの。たくさんのアイデアを形にしつつ、検討を重ねていったそうです。

大坪さん:そもそもプールをオフィスにするのは、かなり特殊な依頼です。屋内プールと、人々が快適に過ごせるオフィスのような場所とでは、設計が根本的に異なります。

このプールには大きな窓がありますし、大量の水が張ってあり人がそこを泳ぐことを前提としています。そのようなプールを、オフィスやイベントスペースにする場合、真っ先に手を付けなければならなかったのは空調設備ですね。

プールエリア全域を対象とした空調では、大量のエネルギーが必要になり、ランニングコストが膨れ上がってしまいます。かといって、外の気温に大きく左右されるような場所だと、そもそも人がそこにいたいと思えません。

大坪さん:社員さんたちとのワークショップや、担当者との打ち合わせを繰り返しながら、2人でたくさん案を出していきました。

増田さん:でも、だんだん自分たちも設計が行き詰まってきていましたね。そのタイミングで「もはや空調だけの問題だから、もうバレないように空調を整えるぐらいでもいいんじゃないか」と、シンプルに考えるようになりました。

それまで出ていたアイデアよりも、もっとドライに設計してみようとしたんです。

「なぜ集まる場所がほしいのか、どんな機能を持つべき場所なのか」を考えていった結果、空調を中に入れて上をステージにするような形になりました。

「お弁当を気持ちよく食べたい」といった、細かいけど叶えられたら嬉しいような希望もまるっと実現できるような、自由な場所を作ったほうがいいと考えましたね。

プールの中に巨大な空調設備を設置し、スリットから空調が漏れ出る仕組みを考案。結果的に、リノベーションに必要な予算やランニングコストも抑えられました。(環境解析:理科大学准教授の高瀬幸造さん)
社員食堂として利用する場合は、「空のふた」は大きなテーブルに。
広いステージスペースは自由にレイアウトして、イベントに利用することも可能です。

増田さん:実は「新しくてすごいものを作ろう」と意気込んだ結果として、この空間が完成したわけではないんです。

僕たちって「ふつうのこと」しか考えてないんです。「今までにないものを作ろう!」と張り切りすぎないよう意識しながら、仕事するようにしていますね。

建築を依頼される際の要望は、いろんな要素やニーズが含まれた言葉として伝えられます。

「何のためにその空間が必要なんだろう」「その場所や、その空間を利用する人にとって、どのような機能が求められているんだろう」と丁寧に考えていくと、シンプルだけど本人でさえ気づけなかったニーズや欲求が見つかります。

それを叶えるものを作ることで「新しいのに受け入れやすいもの」ができあがるんです。ただ異質なものではなく、見たことがないのに自然と馴染んでいくような感覚です。

暮らしを楽しむイベントの構想も進行中!

「空のふた」は、社員が過ごす場所としてだけでなく、社外の方も訪れるイベントの場としても活用していく予定です。

これまでにも goodroom でさまざまなイベントを企画・運営してきたSさんとHiraokaさんに、goodroom がイベント開催で目指していることや、今後の展開を聞いてみました。

goodroom が竹中工務店さんと一緒に開催してきたマルシェ。春と秋の2回、goodoffice や goodcoffee も入居する「東陽町ぐりんたす」で開かれています。次回「グッドマルシェ」は12月5日(土)〜12月6日(日)に開催されます!

Hiraokaさん:「東陽町ぐりんたす」で開催してきたマルシェでは、出店者さんと話しながら買い物をしたり、アロマバスボムづくりなどのワークショップに参加したりできます。歌って踊る絵本の読み聞かせや、巨大シャボン玉のパフォーマンスもあって、子どもから大人まで一緒に楽しめるイベントです。

大切にしているのは、人と人との関係が育つこと。オフィスビルを地域に開放して、近くに住む方や事業者さん、企業が自然につながる「まちの交流拠点」にしたいんです。年々地域の方に受け入れていただいて、今年は2日間で約2,000人が来場されました。

ほかにも、新橋や学芸大学の「goodcoffee」では、ポップアップストアや食を楽しむイベント、アート系ワークショップなどが月に1回ほど開かれています。こちらはスパイス喫茶を体験するイベントの様子。

Sさん:インテリアが好きな方や、「こんな暮らし方もいいな」と考えるのが好きな方など、暮らしに関心のある方を思い浮かべながら企画しています。「こういうことをやったら楽しそうだな」と日々アンテナを張って、イベントを開催していますね。

まずはここで楽しく過ごしてもらって、そこからgoodroom がどんな会社なのか、どんな場所をつくっているのかを知ってもらえたら嬉しいです。

goodroom が運営するコリビング「goodroom residence」では、入居者向けのクローズドなイベントも開かれます。こちらは、プリント技法を体験できるワークショップの様子。

Hiraokaさん:入居者さん向けのイベントでは、心からリラックスできる、安心感のあるコミュニティをつくることを大切にしています。特に入居直後は緊張する方も多いので、最初の1ヶ月で温かく迎えられる場にしたいんです。

ワインの飲み比べ会や街歩き、怪談夜会など、いろいろ試しています。参加人数はイベントにより異なるものの、ある拠点のイベントでは入居者全体の3人に1人にあたる人数の方々が参加してくださったこともありました。

戸塚では、入居者のヨガインストラクターさんを迎えて、ヨガとサウナ、ハーブティーを楽しむイベントを開催。「もっとこのハウスが好きになった、という声もいただけました」(Hiraokaさん)」

食事会なら準備や調理から片付けまで一緒にやりますし、最近は入居者さん自身がイベントを企画してくれる拠点も増えてきました。入居初日で緊張していた方が、すぐにほかの方と打ち解けて、終了後も楽しそうに話していたこともあって。自然に挨拶や雑談ができる顔見知りがいることが、その後の暮らしの安心感につながると思っています。

――青山の新しい空間では、これからどんなことを計画されていますか?

Sさん:青山オフィスの空間は、goodcoffee の空間に比べるとかなり広大なスペースなので、空間を生かしたイベントを開催していきたいと思っています。

たとえば、シンガーソングライターやDJを招いて、お菓子や軽食、飲み物を楽しみながら、みんなで音楽を聴くイベントとかもできそうですよね。

今までのようなイベントスペースでは収まりきらなかったことにも、この場所で挑戦していきたいです。

Hiraokaさん:「goodroom residence」の全拠点から参加できるような企画にもしていきたいですね。今まで考えてもみなかったイベントを開きたいなと、いろいろな案を構想しています。

***

かつて水で満たされていたこの場所に、これからどんな人や暮らしの楽しみが集まっていくのでしょうか。新しく生まれた「空のふた」から広がる景色に、期待が膨らみます。

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監修:田村美葉

goodroom journal 編集長。宅地建物取引士。goodroom journal でこれまでに取材をさせてもらったお部屋は、200部屋以上。いつもたくさんのアイデアを教えてもらってます。(詳しいプロフィールはこちら)
YouTube / Instagram

文:織田諒

国内最大手金融メディア、組織開発関連のメディアで執筆する傍ら、2021年からグッドルームのライターとして活動。インタビュー記事を中心に100記事以上執筆。写真も動画も撮るのが好き。愛機はFujifilm。革のものと古いものが好き。論文を漁り回るのが趣味。(詳しいプロフィールはこちら)

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