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コンクリートと無垢材。夫婦で育てる「余白」の感覚。89㎡ 3SLDK 二人暮らしのインテリア

私らしく暮らす。賃貸インテリア Vol.448

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コンクリートと無垢材。夫婦で育てる「余白」の感覚。89㎡ 3SLDK 二人暮らしのインテリア

無機質なコンクリートに、あたたかい無垢材の床。吹き抜けから光が降り注ぐ開放的な空間で暮らすのは、デザイナーのShioriさんご夫婦。 以前の住まいが手狭になったことを機に、リノベーション賃貸という選択をしました。 素材のコントラストが印象的な空間を、デザイナーならではの視点で整え、二人らしい心地よさを育むお部屋について、お話を伺いました。

text & photo : Tsubottle

デザイナーの視点で整える、空間の「情報量」

「中古リノベに興味がありましたが、まずは体験してみようと。内見でこの家のコンクリートと無垢材の組み合わせ、吹き抜けの開放感に一目惚れして即決しました」 そう話すShioriさん。IT企業でデザイナーとして働きながら、大学でもWEBデザインの講師を務めています。

暮らしの中心であるリビングダイニングで特に目を引くのは、オーナーが造作したという本棚。 「引き出しや本棚、大きいものを入れるエリアもあって、本当に片付けやすい」とShioriさん。
造作棚の赤みのある木の色に合わせて選んだのが、「KANADEMONO」のダイニングテーブル。 「以前は四角いテーブルでしたが、旦那のアドバイスで円卓に。120cmでは大きく、90cmでは小さいと感じていたので、100cmでサイズオーダーしました」。
円卓にしたことで、動線がスムーズになり、来客時も詰めて座りやすいと実感しているそう。椅子は、テーブルに合わせたウッド素材のものと、空間を引き締める黒のチェアを組み合わせて。
ダイニングは食事だけでなく、作業や朝のメイクも行う多機能スペース。
離れて見る用と手元用の2種類の鏡を使い分けます。
壁には好きなアーティストの作品集のチラシや、展示で集めたポストカード。
さらには大学時代にご自身で描いた絵も。
フレームにもこだわりがあり、特にお気に入りは無印良品のフレーム。
「フレーム選びに苦戦しましたが、シンプルな木製フレームが、どんなポストカードにも馴染むので気に入っています」

「空間づくりでは『情報量を統一する』ことを意識しています。デザイナーの職業病かもしれませんが、モノの量だけでなく、モノ同士の密度、つまり余白で調整できないかを考えるんです」 例えば、壁の余白が気になったスペースには、壁掛けの鏡や照明を配置。お気に入りのアイテムを飾りながらも空間がすっきりと調和しているのは、Shioriさんならではの感覚です。

「好き」と「機能」で選ぶ、夫婦の空間

「家具選びは、まず使い心地や機能性を重視し、そのうえでデザインや色味、素材の順番で検討します」 Shioriさんの空間づくりには、この言葉がキーワードでした。

リビングのソファはIKEAのもの。「大きいソファは失敗が怖く、まずは試してみようと購入したら、思った以上に座り心地が良くて」。人気のソーデルハムンと迷った末、お店で座った瞬間のフィット感で決めたと言います。
その傍らには、「HAY」のサイドテーブル。「『一番好きな白』だと感じた」というセミマットな質感が、暖色のカーペットと寒色のグレーのソファ、どちらにも馴染む中間色として活躍。
飲み物や手元を照らすライトを置くのに重宝しています。
リビングの片隅には、観葉植物が集まるエリア。 「最初は差し色として飾り始めたのですが、どんどん増えていきました。」
植物を置く台は、前の家でデスクとして使っていた長机。行き場に困り一度は持て余したものの、見事なグリーンラックとして再利用されました。
日照不足を補うため、植物ライトも活用しています。
ワークスペースも、機能性を追求した場所。 お揃いの昇降デスクで、姿勢が固まらないように工夫。
Shioriさんのお気に入りは、「Nuphy」のキーボード。「見た目の可愛さだけでなく、打ち心地や音が良くて」と話します。
壁には「DRAW A LINE」を設置し、WebカメラやiPad、香りもの、そして下段は充電ステーションとして活用。
オンライン会議の際は、背景に映るよう、会社の先輩が描いたアートを飾っています。

夫婦共通の趣味であるビールを楽しむための「京都醸造のビールグラス」は、割ってしまった時に買い直したほどのお気に入り。それぞれの「好き」と「必要」を尊重し、機能的なアイテムを二人でシェアする。そんな心地よい距離感が、この家の暮らしを支えています。

賃貸で見つけた「自分たちらしさ」と未来

この家で暮らし、お二人にとっての「リノベーションの体験」は、多くの発見をもたらしました。 玄関から土間続きのウォークインクローゼットもその一つ。

「靴を合わせながら服のコーディネートができる便利さに驚愕しました。」全身鏡もあり、服と靴のバランスをすぐに確認できる動線がお気に入り。
収納も、夫婦でエリアを分け、靴下やシーツ類はボックスに投げ込むスタイルで効率化しています。
「吹き抜けは開放感があって気に入っていますが、掃除にハシゴが必要だったり、仕切りがないので音漏れが気になったり。暮らしてみてわかることも多いですね」
今の暮らしを通して、「ワークスペースとダイニングが生活の中心」「スーパーは近い方がいい」など、自分たちに本当に必要な暮らし方が見えてきたと言います。

「この家は定期借家なので、そろそろ次の家も考え始めています」 次は、本格的に中古リノベーションに挑戦しようと、イメージを膨らませているところ。
「次の家では部屋数を減らして、ひとつひとつの空間の質を高めたい。広いLDKと、集中できる仕切られた仕事部屋が理想です」

これまではレンタル家具や、「お試し」で選んだIKEAのソファのように身軽さを重視してきましたが、少しずつ意識の変化も。 「デスクもそうですし、これからは10年以上愛用できる、本当に気に入ったアイテムを取り入れていきたいと思っています。」

このリノベ賃貸での暮らしは、次のステップに進むための「自分たちらしさ」を見つける、大切な時間になっているようでした。

Shioriさん(@shiori__room)のInstagramアカウントはこちら
https://www.instagram.com/shiori__room/

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Tsubottle(つぼとる)

Tsubottle(つぼとる)

福岡県出身。アメリカはポートランドで写真を始め、京都・東京・福岡を中心に全国へ素敵な住まいと人の物語を記録と記憶に残しながら旅をする写真家。あなたのお住まいにもぜひ。コーヒー、ビール、美味しいご飯があれば、どんな場所でも幸せに暮らせるタイプです。
Instagramはこちらホームページはこちら

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