TOMOS 実りある小さな暮らし
1K(19.24㎡)
Sumiさんが暮らすのは、築10年以内のマンションのワンルーム。細長い間取りを活かしながら、15回もの模様替えを重ねて現在のレイアウトにたどり着いたといいます。高校生の頃から集め続けてきた本やアート、ほぼ毎日火を入れるキッチン、そして絵を描くための作業スペース。「好き」が高い密度で同居しながらも、どこか静かで風通しのいいお部屋を拝見しました。
text & photo : Tsubottle

お部屋探しの出発点は、とてもはっきりしていました。
「本や服がとにかく多いんです。どれも手元に置いておきたいものばかりなので、まず収納スペースがしっかりあることが絶対条件でした」

加えて在宅勤務が多く、趣味で絵も描かかれるというSumiさん。集中して手を動かせるエリアがほしい。けれど、家は仕事場であると同時に休む場所でもある。
「作業ができるエリアを確保しつつ、安らげる生活空間のレイアウトも両立できる間取りかどうか。そこを一番見ていました」






「細長い間取りなので、どうしても換気が悪いんです。特に奥のクローゼットは空気がこもりやすいので、定期的にサーキュレーターを回したり、拭き掃除・掃き掃除を徹底したりしています」
間取りの個性を活かすということは、その裏側にある弱点も引き受けるということ。手をかけ続けることを前提にした住まい方が、この部屋の心地よさを支えています。

お部屋の中心にあるのが、Sumiさんが「一番好きな場所」と語る本棚です。
「高校生の時から収集を始めた、アート、デザイン、インテリアの写真集。それにアニメ資料やDVDも並んでいて、自分の好きが結晶化された場所になっています。絵を描く時のインプット資料としても使っているので、実用的な棚でもあるんです」





香りといえば、ニュージーランドを旅した際に連れて帰ったという「Abel」のルームフレグランスも。緑茶、柚子、バーベナという、あまり聞き馴染みのない組み合わせです。
「香りは軽やかで、活力が湧くような雰囲気なんです。日本ではまだメジャーなブランドではないので、珍しい香りを試したい方にはおすすめですね」

そして、この部屋のもう一つの主役が「壁」です。
「アーティストのアトリエのような、たくさんキャンバスが積まれた部屋に憧れがあって。ここ数年で大判の作品が集まってきたので、季節ごとに壁に掛ける絵を変えたり、雑然と立て掛けてみたり。視界の片隅にアートが留まる環境づくりを心掛けています」



「春夏・秋冬で、アート作品とファブリック――寝具やブランケット、クッションカバーなどを入れ替えています。なかなか変更が効かない大型家具と違って、それなりに面積があるこれらのアイテムの色や素材を変えるだけで、部屋全体の印象が変わるなと感じます」
大きな買い物をしなくても、部屋は着替えられる。真似したくなるティップスです。

Sumiさんに住まいでの好きな時間を伺うと、まず挙がったのがキッチンでした。
「キッチンでお酒を飲みながら料理を作る時間が好きなんです」
ほぼ毎日自炊をするというだけあって、キッチンは徹底して「使いやすく、気分が上がるように」設計されています。調味料も器も料理本も、しまい込まずに見せる収納。








面白いのは、そのまわりに置かれた椅子です。しっかりとした座り心地のThonetと、あぐらをかいて寛げるAndreu Carullaのラウンジチェア。あえて揃えないという選択でした。
「バラバラのものを合わせて楽しんでいます」
黒い天板という強い要素を軸に置きながら、椅子で表情を散らしていく。本棚やアートの見せ方と同じ「適度な雑多さ」が、ここでも効いています。

最後に、これからの暮らしについて伺いました。
「今の季節、ラグで遊ぶ余地がありそうなので、デザインが面白かったり、差し色として機能するものを買いたいと思っています。冬用のラグはスクエアの落ち着いたものを既に持っているので、夏用は冒険したいですね」

好きなものを隠さずに置き、季節ごとに着替え、気になったらすぐ動かす。完成をゴールにせず、更新し続けることそのものを楽しむ。Sumiさんのお部屋は、「好き」と一緒に暮らしていくための、しなやかな方法論に満ちていました。
SumiさんのInstagramアカウントはこちら
https://www.instagram.com/myworldtonight/
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Tsubottle(つぼとる)
Tsubottle(つぼとる)
福岡県出身。アメリカはポートランドで写真を始め、京都・東京・福岡を中心に全国へ素敵な住まいと人の物語を記録と記憶に残しながら旅をする写真家。あなたのお住まいにもぜひ。コーヒー、ビール、美味しいご飯があれば、どんな場所でも幸せに暮らせるタイプです。
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