こんにちは、日用品&町歩き愛好家の渡辺平日です。この連載では、個人的に好きな町や住みたい町を、商店街を中心にじっくりと這うように案内しています。
今回紹介するのは祖師ヶ谷大蔵(そしがやおおくら)。世田谷区の中心付近に位置する町で、〈ウルトラマン商店街〉という非常に賑やかな商店街があることで知られています。
一日の平均乗降人員は5万人強とけっこう多めですが、その割にはのんびりしているなあという印象。
出張や観光にも便利。祖師ヶ谷大蔵の交通事情
駅には小田急小田原線が乗り入れていて、新宿までは約17分、渋谷までは約25分で移動可能。特に出張や旅行が多い人にはかなり魅力的な立地といえるでしょう。人気の下北沢まで約10分というのもポイント。ライブや演劇などにも気軽に参加できますね。
お休みの日は小田原観光……というのはどうでしょうか。
駅前に東急バスと小田急シティバスの乗り場もあります。写真は地域の主要施設を循環しているコミュニティバス。ずんぐりしたフォルムがキュートですね。〈くるりんバス〉という愛称で地域住民から親しまれているそうですよ。
駅前ではウルトラマン像がお出迎え。記念撮影の定番スポットとなっています。
3つの商店街が合体! 元気たっぷりなウルトラマン商店街
はじめに少し触れましたが、祖師ヶ谷大蔵にはウルトラマン商店街という有名な通りがあります。たっぷりと撮影してきましたので、写真でその様子を紹介しますね。
ウルトラマン商店街とは、駅近隣にある〈祖師谷みなみ商店街〉、〈祖師谷商店街〉〈昇進会商店街〉という3つの商店街の総称です。複数の通りをひとつにまとめることで、大規模な商業圏を構築することに成功しました。ちなみに、円谷プロダクション初代社長の自宅が祖師谷にあったことから、ウルトラマンをマスコットキャラクターとして起用する運びになったそうです。
駅周辺だけではなく、街の中にもウルトラマンやウルトラ怪獣をモチーフにした装飾や設備が点在。
250以上の店舗が軒を並べます。人気のチェーン店も一通り揃っていますが、それ以上に、元気な個人店が目立っています。
こちらは美味しいと評判の精肉店。残念ながら定休日でした。
地域密着型の青果店。お盆の時期だったためか、こちらもお休みでした。
自家製のクラフトビールが楽しめるタップルームです。まだ時間が早かったので空いていませんでした。3連敗。
こちらの精肉店は営業していました。お祝い事があったときに利用したいタイプのお店です。
昔ながらのお店だけではなく、ファッショナブルな店舗も点在しています。
フラッとレトロな定食屋へ
おや、いい感じの定食屋がありますね。
このメニューの雰囲気。間違いなく美味しいやつです。
さらに、近所で美味しそうな割烹料理屋を発見(むかしは札幌ラーメンのお店だったのでしょうか?)。
玉子丼が気になるところ。うーむ、迷います。
散々悩んだあと、最初の定食屋をチョイス。カウンターのみのお店で、お客さんがいっぱいだったので撮影は行いませんでした(かわりにメニューの写真をどうぞ)。
待つこと約10分。お待ちかねのヒレカツ&クリームコロッケ定食のできあがりです。
たっぷり添えられたキャベツとマカロニサラダが嬉しい。これにライスとお味噌汁が付いて税込み950円。とってもリーズナブルです。
クセのないサッパリとした味付けで、とっても美味しかったです。次はスペシャル盛り合わせに挑戦したい。
春は桜、秋は紅葉。つりがね池公園へ
美味しいご飯を食べてすっかり元気になったので、少し遠出して〈つりがね池公園〉へ向かうことに。
地図を見ていただくとお分かりいただけると思いますが、道が超複雑でかなり迷いやすいです(一説によると、耕地を整理せずに宅地開発を行ったため、迷路のような構造になってしまったのだとか)。
何度も道を間違いながら、なんとかつりがね池公園に到着。〈せたがや百景〉にも選ばれている景勝地で、住宅街のなかに突如現れるオアシスという雰囲気があります。
公園のなかに弁天様(水の神様)の社があります。通りがかりのおじいちゃんによると、毎年4月7日には弁天祭を執り行っているそうです。
おじいちゃん情報では、春は桜、秋には紅葉を楽しめるそうです。いいですね~!
鯉がたくさんいました。写真を見返しているときに気がついたのですが、右下にウルトラマン柄の鯉がいますね。
ちなみに、公園の近くには〈祖師谷神明社〉という立派な神社もあります。
いやあ、実にいい公園でしたね。すっかりリラックスしてしまいました。迷った甲斐(?)があるというものです。さて、次はお楽しみのお部屋紹介コーナーです。
黄色が決め手。秘密基地のようなお部屋(1R/18.35㎡/6万円)
大きなクローク付きのソファベッドがあるお部屋です。黄色のアクセントクロスが実に爽やか。木目調の浴室の壁もポイント!
ひろーい地下室のあるお部屋(1R/47.17㎡/9.4万円)
地下室ファンのみなさま、お待たせしました。賃貸では珍しい地下室(それも30㎡超!)があるお部屋です。周辺環境も落ち着いてますし、お家でゆっくりお仕事をしたい人にマッチしそう。
愛猫家に捧ぐ(1R/33.36㎡/8.5万円)
こちらは愛猫家のためのお部屋でして、キャットウォークやネコ用ハンモック(!)が用意されています。内装の趣味もよく、こだわり派の人も納得かと思います。
さいごに、レトロな団地を見に行きました
今回、じっくりと取材して改めて(やっぱり、祖師ヶ谷大蔵って、いい町だな……)と思いました。なんというか、〈ふるさ〉と〈あたらしさ〉のバランスが絶妙という感じがします。その魅力が少しでも伝われば嬉しいです。それでは最後に、この町のもう一つの象徴である〈祖師谷住宅〉という団地を紹介して、記事を締めさせていただきますね。
全37棟。敷地内に公園や保育園もあります。
60年以上、この町を見守ってきました。
老朽化が進んだため、現在、建て替えの計画が進んでいます。
形あるものはいつかなくなります。そう頭では分かっていても、この風景が消えてしまうのは寂しい。でも、なにかがなくなるかわりに、新しいものが生まれるというふうに考えたら、ちょっと明るい気持ちになります。
……さて、祖師ヶ谷大蔵は、これからどんな町になるのでしょうか? 町歩き愛好家として、じっくりと見守っていきたいなあと思います。