「持たない暮らし」ってどうやったら始められる?多拠点生活者が実践するコツと便利なサービスまとめ
これからの時代、働き方も、住む場所も、きっともっと自由になるはず。新しい時代の「身軽な暮らし」を考える連載をスタートします。 第2回は、去年夏から多拠点生活を送っている私が実践する、「持たない暮らし」のコツと便利なサービスを紹介します。…
これからの時代、働き方も、住む場所も、きっともっと自由になるはず。新しい時代の「身軽な暮らし」を考える連載をスタートします。
第3回は、一人暮らしや、共働きのご家庭で「家事」がどうも苦手という方に。負担を手放して気楽に暮らすための考え方や、便利なサービスを紹介します。
text : Miha Tamura from goodroom journal
料理をすることや、部屋を片づけることは、良い気分転換になることもあります。
でも、仕事が忙しい時期に部屋が荒れてしまったり。あるいは、家族がなかなか協力してくれなかったり。
ストレスが溜まってしまう原因になるのも、やっぱり「家事」。
時間をかけて「丁寧」に暮らすことも。逆に、家事の手際を磨いて「時短」でこなしていくことも。
つい人と比べてしまって、不器用な自分に落ち込んでしまうことって、ときにはありますよね。
時折、私が思い出すのは「日本人って、実は家事をしすぎ」という話題です。
海外の「家事事情」で、衝撃的だったのはこんな例。
・お弁当は「パンとりんごだけ」が当たり前(アメリカ)
・平日の夕食には「火」を使わず、買ってきたハムやチーズとパン、野菜をそのまま出すだけ(フランス)
・朝食は外で食べるのが当たり前(中国)
毎食、栄養バランスや彩りの整った料理を、しかも毎日違うメニューでつくる、なんていう日本の「当たり前の食卓」って、世界的に見るとかなりレアケースなんですね。
最近は日本でも共働きの家庭も増え、フルタイムワーカーの家庭向けに、いろんなサービスや暮らしかたが登場しています。
「毎日、当たり前のこととして、やらなきゃいけないと思ってた」家事、ちょっと人にお願いしてみたり、手を抜いてみたり、身軽に、気軽に暮らす方法をご紹介していきましょう。
フランスやアメリカの「自炊」のやり方に衝撃を受けた私が、最近バイブルにしている本を紹介したいと思います。それは、料理研究家の土井善晴さんによる『一汁一菜でよいという提案』、そして有賀薫さんによる『スープ・レッスン』の2冊。
「日常の食事は、ご飯と、具沢山のお味噌汁があれば十分」という土井先生の考え方にとても影響を受けて、最近の毎日の食事は、卵かけご飯と具沢山のお味噌汁。あるいはパンとスープだけ。ということが多くなりました。
有賀薫さんの『スープ・レッスン』は、季節ごとの旬の野菜を使って、コンソメもだしも使わずオリーブオイルと塩さえあれば完成するレシピが盛りだくさん。おかげで、シンプルな献立でも、毎日とても豊かに暮らせていますし、調味料や調理道具が必要最小限でいいのもとても助かります。
近所にお気に入りのお店があるなら、毎日外食でもいいと思いますし、最近はスーパーやコンビニのお惣菜コーナーもとても充実しています。
外食やお惣菜だと、どうしても味に飽きてしまう、という方や、お子さんがいらっしゃるご家庭、共働きのご家庭に支持されているのは、食材宅配サービスの各社が提供している「ミールキット」。
カット済みの食材と調味料を必要な分だけセットにして届けてもらえるので、調理の手間が減るだけでなく、「今日、ご飯何にしよう」と悩むこともなくなりますよ。
・パルシステム ミールキット
・セブンイレブン ミールキット
・Oisix ミールキット
など。
また、最近たくさん登場した家事代行サービスを使って、「つくりおき代行」をお願いしている、という方も多いようです。週に1回程度お願いして、お惣菜をつくりおきしてもらいたい、毎日の食卓はそれを温めるだけ。冷蔵庫がすぐに食べられるお惣菜でいっぱいだと、とても安心感がありますよね。
など。
料理以外にも、プロにお願いできる家事はたくさんあります。
ふだんのお掃除や片付けから、エアコンのクリーニング、水回りの徹底清掃、窓・サッシの清掃や、ソファ・マットレスのクリーニングまで。「やらなきゃ、やらなきゃ」と思っていながら手をつけられていないこと。「定期的にプロにお願いする」というのは、実はすごく賢い選択肢かも。
・シルバー人材センター
・くらしのマーケット
・ダスキン メリーメイド
など。
これから一人暮らしをスタートする、という方にはちょっと目を向けてもらいたいのは「シェアハウス」暮らしです。生活の相談ができる管理人さんが常駐していたり、定期的にプロの清掃が入ったり、暮らしのアシストをしてくれる付帯サービスが充実しているところもたくさんあります。
シェアハウス暮らしの先輩に聞くと、特に「水回りの清掃の負担があるか/ないか」は大きなチェックポイントだそう。確かにそれがあるかないかだけで、「家事」に費やす時間は大きく変わりそうですね。
新しい暮らしを始めるときに、授業や仕事だけでなく、自炊や掃除まで全部を頑張ると、疲れてしまうときもあります(私は一人暮らしのスタート時、いきなり体調を崩し熱を出しました)。シェアをすることで、ある程度は人にお願いできる暮らしかたも、ありですよ。
さらに、プライベートの空間はしっかり確保した上で、仕事や趣味にできるだけ集中したい、家事の負担は極力抑えたい人には「ホテル暮らし」のサービスもおすすめ。「ホテル暮らし」だと、自然と持ち物が減るので、そもそも「部屋が散らかる要因がない」なんていうメリットもあるみたいです。
自分の得意で好きなこととして、料理や掃除、洗濯を楽しめるのはとてもいいこと。
でも、それ以外の仕事や趣味に集中したり、ただ家では一人でぼーっとする時間が好きだ、という暮らしかたも、一方ではとても大事だと思うんです。
全部をがんばらなきゃ! と思うのではなく、不要な負担は手放して、身軽に、気軽に暮らしてみませんか?
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田村美葉
田村美葉
グッドルーム・ジャーナル編集部所属。インテリアやリノベーションが大好きです。グッドルーム・ジャーナルの取材を通じて、いつもたくさんのアイディアを教えてもらってます。現在、定額制の居住サービスを利用して全国で多拠点生活中。