素敵な街とわたし
1R(28.35㎡)
住まいやオフィス、畑、自転車、自動車など、生活に必要なさまざまなものを共有する、「シェアのある暮らし」が広がっています。
今回おじゃましたのは、関東圏にユニークなシェアハウスを多数運営する、オークハウスによる、ソーシャルレジデンス福生。元社員寮をリノベーションしたハウス内には、たくさんのおもしろい仕掛けがいっぱい。マネージャーさんにお話を聞いてきました。
text : Miha Tamura / photo : Takuya Kanai / 提供 : 株式会社オークハウス
米軍横田基地のお膝元、福生。アメリカンなムード漂う街並みが人気の街です。基地とは反対側には、多摩川、それに玉川上水が流れ、自然豊かな土地柄。昔ながらの酒造も多いのだとか。そんな多摩川のほとりに、元社員寮をリノベーションした大きなシェアハウス、ソーシャルレジデンス福生が誕生しました。
「ここ福生は、今までのソーシャルレジデンスの集大成みたいな施設に仕上がってるんです。設備で言えば、ここが絶対一番です」
ソーシャルレジデンスでは、社員のマネージャーさんが住み込みでついてくれます。既にご自身も入居開始し、オープンして間もない館内を知り尽くしている渡辺さんに、案内していただきました。
ジムに、音楽スタジオに、ライブラリー。
「ここから1歩も外に出なくても、楽しめちゃうと思います」
と、渡辺さんが太鼓判を押すのもうなずけるほど、ソーシャルレジデンス福生は設備が充実しています。
「ハードが充実しているからこそ、ソフト面でも楽しめるハウスにしたいんですね」
拝島、青葉台のソーシャルレジデンスを経験し、ここが3ハウス目のマネージャー経験となる渡辺さん。じつは、自分自身も家具つきのシェアハウスを探していて、オークハウスに辿り着いたんだそうです。
「地元で営業職で働いた後、ワーキングホリデーを利用してカナダに留学していて。カナダには一年ほどいたんですが、向こうでは家具がついているシェアハウスが当たり前でした。日本に帰ってきたあとに地元から出るにあたって、シェアハウスを探していたら、たまたまマネージャーを募集していて。英語ができて、営業経験あり、という条件がぴったりだったんです」
マネージャーさんのお仕事は、ハウス内の設備やルールの整備はもちろん、シェアハウスの近隣の住民の方とのお付き合いなども含まれます。
「大変なこともあるけれど、自分自身も入居者の一人として楽しんじゃうタイプなんです。ハウス内でイベントを開催するのも仕事のひとつ。入居者さんと一緒になって、イベントを楽しんで。これも仕事なんだ!ていうのが新鮮でした」
渡辺さんが何よりも大切にしているのは、入居者さんとのコミュニケーション。
「挨拶、プラスアルファでいつも話しかけるようにしていて。話しかけてもらいやすい関係を作っておけば、あそこの設備、壊れてたよ、とか、なにかあったときに自然と報告してもらえるので」
最低、月に1回は開くというイベントも、自然と人が集まる重要なきっかけのひとつ。クリスマスパーティーや餅つきパーティーなど、季節ごとに開催します。
一番大きなものは、夏に福生からも近い秋川で開催される、 ハウスを超えて入居者さんが集まるサマーキャンプのイベント。朝早く、8時ごろから集合し、河原遊びにバーベキュー、ビンゴ大会などを楽しみます。去年は200人ほどが集まったとか。
「朝早いんですけど、そのぐらい早く集まらないと、遊びきれないんですよね」
お世辞じゃなく、楽しい、と思ってくれているのが表情からも伝わってくると、とても嬉しい、と渡辺さん。中には、渡辺さんが福生に移ることになって、一緒に引越しを決めた入居者さんもいます。女性の入居者さんの中には、内覧しにきて渡辺さんが住み込みでついてくれることを知って、ほっとした表情を浮かべる方も多いのだとか。
たしかに、何かあったとき頼りになる、ただの友達とはちょっと違う、マネージャーさんという存在はとても大きいものがあります。ソーシャルレジデンス福生は、ちょっと引っ込み思案な人にこそおすすめしたい、シェアハウスかもしれない、と思いました。
「もちろん、単純に住む環境があればいい、という方も多いですし、そういうつもりで来ても、おもしろくなっちゃってイベント楽しんじゃう、というひともいます。みんなと話したいときは降りてくれば誰かいるし、静かに過ごしたいときは個室で。そういう住み分けができるのも、大きなハウスならでは。
風邪をひいていると気にかけてくれる人がいたり、夕飯を作らなくても誰かが作ってくれたり。私自身も、家に人がいないというのはもう、違和感がありますね」
いろんな国籍のひとや、いろんな職業のひと。職場や、学校のコミュニティーとは全然違う、今まで出会ったことがない、様々な経歴の人と出会えるシェアハウス。その中で、入居者さん同士のコミュニケーションが自然に生まれるようにアシストしてくれる、マネージャーさんがいる。
新しい環境や、新しい生活に、ちょっとだけ不安があるひとも、たくさんの充実した設備、それにイベントを楽しんでいるうちに、いつのまにかすっかり「住人」のひとりになっている。ソーシャルレジデンス福生は、そんな場所になりそうな気がします。