デザイン学入門
1K(20.03㎡)
1K・ワンルームなど小さなお部屋で探すとき、「畳数」や「平米数」だけではなく、チェックしてほしいことがあります。住んでみて「あれ、ちょっと使いづらい……?」とならないための、ちょっとしたポイントまとめました。
text : Miha Tamura from goodroom journal(初出:2019年8月)
「20㎡」「25㎡」などの専有面積は、お部屋の「壁」を基準にして算出されています。
つまり、ユニットバスや収納、洗濯機置き場など、居室スペースとしては使えない部分も全て含まれているということ。
特に小さなお部屋の場合、どんな設備がついているかで使えるスペースはだいぶ変わってきます。
上の2つのお部屋。ちょっと極端な例ですが、左のお部屋は16㎡、右のお部屋は24㎡と、約8㎡も差があります。
ですが、24㎡のお部屋には独立洗面台や大きめの収納がある一方、16㎡のお部屋は3点ユニットバスとコンパクトに水回りがまとまっているため、居室として使えるスペースはほぼ同じになっています。
平米数の小さなお部屋のほうが当然、家賃はお得なので、「水まわりはコンパクトでよく、できるだけ広いスペースが欲しい」という人は、あえて3点ユニットバスのお部屋を探してみるのもアリです。
「ロフト」とは、採光がなく立って歩ける高さがないため、居室スペースとはみなされない屋根裏のスペースのことです。
このスペースは、専有面積に含めず、「20㎡+ロフト」などとされることが多いです。
また、「バルコニー」も専有面積には含めないのが一般的です。
ですが、時々ロフトやバルコニーも含めた専有面積で表記されている場合もあるので、実際に見て「あれ、ちょっと狭いな?」と感じるお部屋の場合には、不動産屋さんに確かめてみるのが良いでしょう。
キッチンと居室の間にドアがない「ワンルーム」の間取りで畳数を表記するとき、一般的にはキッチンや廊下部分までを含めた畳数で表現します。
たとえばこんな2つの間取り。
畳数では7.5畳となっている左のお部屋の方が大きいですが、全体の専有面積では右の5.5畳のお部屋の方が若干広いです。
これは、7.5畳のお部屋は廊下部分までを含めて記載しているため。居室側にキッチンや冷蔵庫置き場があることを考えると、実際に使えるスペースは5.5畳のお部屋とほぼ変わらない、ということになるでしょう。
こちらは、ほぼ同じ平米数の2つの間取りです。
畳数でいうと、5畳、6畳となっていますが、6畳のほうは、居室の入り口とクローゼットに扉があり、実際に使えるスペースとしては5畳のお部屋とあまり変わりがありません。逆にいうと、5畳のお部屋は扉が家具と干渉することがないよう配慮してあえてオープンクローゼットにしてあります。
また、6畳のお部屋は角部屋で窓が2面についているのですが、そのため背の高い本棚などの家具は置ける面が限られてきます。
間取り図を見るときは、「使える壁」がどのぐらいあるのか、チェックしてみましょう。
では、どちらの間取りを選ぶのが正解なのか?ということになってくると、「絶対こちらの方がいい」というのは言い切れないのが正直なところです。
例えばワンルームと1Kを比較するとき。料理をよくする人にとっては、匂いが充満しない1Kのお部屋のほうが良いでしょう。でも、ワンルームのお部屋は仕切りがない分、開放感があり通気性もよいという利点があります。
畳数や平米数に惑わされることなく、自分がどんな風に部屋を使いたいか、どんな風に家具を置きたいか、荷物はどのぐらい増えそうかをよく考えながら、間取り図を見るといいですね。
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田村美葉
田村美葉
グッドルーム・ジャーナル編集部所属。エスカレーターマニアというちょっと変わった肩書きを持っていますが、インテリアやリノベーションが大好きです。グッドルーム・ジャーナルの取材を通じて、いつもたくさんのアイディアを教えてもらってます。役得。